「海賊」と言えば、かつては船に乗ったならず者が海上で行う略奪行為を意味しました。現代では、海賊が猛威を振るう舞台は海から自宅やオフィス環境へと移り、ソフトウェアの「海賊版」、つまり著作権侵害が問題となっています。
ソフトウェアの著作権侵害には、シングルユーザーライセンスを複数のコンピュータへインストールしたり、ソフトウェアの著作権を侵害しているとは知らずに小さな違法行為を行うといった軽犯罪にあたるものから、ソフトウェアを違法にコピーして配布するという重大な犯罪行為までが含まれます。
しかし現状では、ソフトウェアの著作権侵害を「本当の」犯罪とは考えていない人々が少なからず存在します。そのような状況において企業は、ソフトウェアの不正コピーに対して適切な防止対策を確実に実施するという難しい課題に直面しています。
ソフトウェアの不正コピー防止対策が必要な理由とは?
ソフトウェアの不正コピー防止対策が企業にとって非常に重要である理由は、そのような対策を実施することでのみ、自社のソフトウェアの全コピーに対して、適切かつ公正な支払いを確実に受け取ることができるためです。ソフトウェアライセンス保護テクノロジーは、ソフトウェアセキュリティとライセンシングの施行を通して、ソフトウェア発行者にアプリケーションの展開方法と使用方法に対する制御と可視性を提供します。
適切なソフトウェアの不正コピー防止対策を採用することにより、ライセンスのないソフトウェアのコピーが使用されるのを防ぐことができます。また、最適なソフトウェアライセンスの不正コピー防止テクノロジーが導入されることで、サードパーティは企業の製品を盗み再販したり、リバースエンジニアリングしたりすることができなくなります。
認識されにくい場合もありますが、ソフトウェアの不正コピーを防止することは企業の評判を守る上で必要不可欠です。
「マルウェア」ほど、コンピューターユーザーに不安を与える恐ろしい言葉はありません。
企業のソフトウェアがマルウェア攻撃を引き起こした場合、その企業の評判や収益へのダメージは甚大なものになる可能性があります。ウイルスやバグのリスクを伴うソフトウェアを使用したいと思う人はどこにもいません。
不正コピーを防止する適切なソフトウェア保護が実行されていれば、このような問題は発生しないはずです。企業やユーザーが(故意であるかどうかにかかわらず)信頼できないソースから非ライセンスソフトウェアをインストールした場合でも、その製品を開発した企業が責任を負うことになります。
ソフトウェアがライセンスのない状態で購入された場合でも同様です。
不公平に思えるかもしれませんが、これはビジネスを行う上で伴うコストであり、企業はその責任から逃れることはできません。そのため、企業の製品と評判を守るためには、製品を市場に投入する前に、適切な不正コピー防止用ソフトウェアを確実に実装することが何よりも重要となります。
セキュリティドングルの主なメリット
不正コピーの防止はどのように機能するのでしょうか?適切なソフトウェアの不正コピー防止対策を実行するにはさまざまな方法がありますが(詳細については以下を参照)、その中で最も一般的な方法の1つは、セキュリティドングルを使用することです。
セキュリティドングルはUSBキーと同様、ハードウェアベースのソフトウェア保護キーです。
セキュリティドングルは、デジタルの世界において進化を逆戻りしているかのように思えるかもしれませんが、ソフトウェアの不正コピーを確実に防止するにあたり、重要なメリットをもたらします。
ドングルは低コストで、インターネット接続を必要とせず、定期的なライセンス料もかかりません。
メリットはそれだけではありません。特定のコンピュータにインストールされるソフトウェアとは異なり、Sentinel HL (旧称:Sentinel HASP)などのソフトウェア保護キーは持ち運びが可能です。そのため、このタイプのソフトウェアライセンス保護テクノロジーは、ドングルを接続することによりあらゆるPCで使用することができます。
またセキュリティドングルは、ライセンス条項を非常に強力に施行します。例えば、Sentinel HLキーを使用することで、これらの条項はキー内で安全に保存および保護されます。
実行時、保護されたソフトウェアは、暗号化された文字列をソフトウェア不正コピー防止キーに送信します。そして、ソフトウェア不正コピー防止キーがその文字列を復号し、模倣することができない応答を生成します。
保護キーからの応答が正しければ、アプリケーションが実行されます。ソフトウェア保護キーが存在しない場合や、キーからの応答が正しくない場合は、アプリケーションは実行されません。
Sentinelのソフトウェア不正コピー防止ソリューション
Sentinelは、革新的なソフトウェアライセンシング製品やソフトウェアの不正コピー防止ソリューションも種類豊富に提供しており、ソフトウェアベンダーやテクノロジーベンダーがソフトウェアによる収益を増やし、運用コストを削減できるようサポートします。
Sentinelは、ハードウェアベースの保護やソフトウェアベースのセキュリティ、またはそれら2つを組み合わせて提供することで、企業がそれぞれ持つ、ソフトウェアの不正コピー防止に対するニーズに対応します。
これまでに述べたメリットに加え、Sentinel HLキーには、既存のSentinel HASP HL、Hardlock、Sentinel SuperProとの完全な下位互換性があります。またユーザーは、Sentinelの次世代ソフトウェアライセンシングソリューションであるSentinel LDKとの上位互換性を最大限に活用することができます。
さらに、これらのソリューションは、将来を見据えてデザインされています。独自のUpdateOnChip™メカニズムを用い、すでに展開されているキーに対して、将来的な機能拡張や改良が可能です。
Sentinel HLのハードウェアベースのソフトウェア不正コピー防止キーは、安全性に優れたスマートカードチップを使用し、悪意のあるハードウェア攻撃に対して最高レベルのセキュリティを提供します。これは、これらのキーが耐タンパ性を備えていることを意味します。
Sentinel SLは、エンドユーザーのデバイスにインストールおよび保存される仮想保護キーであり、ソフトウェアベースのアプローチを使用してソフトウェアの不正コピーを防止したいと考えている企業に最適です。
Sentinel HASP SLは、Sentinel HASP HLソフトウェアライセンス保護テクノロジーに基づいており、業界最強レベルのソフトウェアベースのセキュリティを提供します。Sentinel HASP SLは、ソフトウェアの著作権と知的財産を保護し、さまざまな柔軟なライセンシングオプションを提供すると同時に、電子ソフトウェア配布(ESD)を可能にして、市場投入までにかかる時間と運用コストを削減します。
最後に、Sentinel LDKは、ソフトウェアベースとハードウェアベースの両方のソリューションを組み合わせた不正コピー防止ソフトウェアです。独自のクロスロッキングテクノロジーを採用しており、ハードウェアベース(USBドングル)とソフトウェアベースの両方の保護を提供すると同時に、1組のツールを使用して単一のソリューションで安全なソフトウェアライセンシングを実行する、市場で唯一のソフトウェア不正コピー防止ソリューションです。Sentinel LDKには、ハードウェアベースおよびソフトウェアベースの保護キーが種類豊富に揃っているため、ベンダーはそれぞれのビジネスニーズに基づいて、適切なソフトウェアセキュリティレベルを選択することができます。
結論として
不正コピーを防止するための著作権保護システムとして、ハードウェアベースのソリューションとソフトウェアベースのソリューションのどちらを選択する場合でも、ライセンス規約を施行することにより、ベンダーは製品の不正使用や配布を防ぐことができます。また、ソフトウェアセキュリティは、ソフトウェアの著作権侵害のリスクを軽減すると同時に、さまざまなライセンスモデルを提供します。これにより、製品の価格設定やパッケージ化が柔軟に行えるようになり、新たな収益機会が生まれ、顧客満足度が向上します。