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PCI DSS 4.0 (ペイメントカード業界データセキュリティ基準)

PCI DSS v4.0 の要件3.5.1.2 では、ディスクレベル暗号化が不可となり、要件3.5.1で安全性が担保されている暗号化の強度と、要件3.6で安全性が担保されている暗号鍵の管理が必要となります。タレスは、カード会員データを送信、処理、保存するあらゆるビジネスを保護し、PCI DSS 4.0準拠に対する取り組みを簡素化できるようサポートします。

PCI DSS 4.0準拠要件

マップ
指令 | 現在有効

PCI DSS(ペイメントカード業界データセキュリティ基準)とは、決済データを保護してクレジットカード詐欺を減らすために規定された、技術要件および運用要件のベースラインを提供する情報セキュリティ基準です。PCI DSSは、カード会員データ(CHD)や機密認証データ(SAD)を保存、処理、送信する、すべての事業体に適用されます。

PCI DSSの新しいバージョンが2022年3月31日に公開されました。以前のバージョン3.2.1からの変更点は次のとおりです。

  • リムーバブルでないHDD/SDD外部ストレージ(SAN/NAS等)のPANは、要件3.5.1を満たす、強力な暗号化技術と関連する鍵管理プロセス及び手順などで読み取り不能にする要件を追加。
  • カード会員データ環境へのすべてのアクセスに多要素認証(MFA)を実装するように要件8を拡張。
  • ファイアウォールという表現をネットワークセキュリティコントロールに更新し、ファイアウォールによって従来対応されてきたセキュリティ目標を達成するために使われる、より幅広いテクノロジーをサポート。
  • セキュリティ目標達成に向けて組織がさまざまな方法を使用していることを実証するための柔軟性を向上。
  • 各事業体が、そのビジネスニーズとリスク影響度に最適な形で、特定のアクティビティの実行頻度を柔軟に定義できるようにするため、ターゲットリスク分析を追加。

更新内容の詳細については、PCI SSC Webサイトの PCI DSS v4.0 Summary of Changes (PCIDSS変更点のまとめ)ドキュメントを参照してください。

タレスがPCI DSS準拠に役立つ理由

タレスは、カード会員データを扱う組織が、次のようなさまざまなPCI DSS 4.0要件への準拠を達成できるようにサポートします。

PCIDSS V4.0 ”ディスクレベル暗号化に関する要件追加”へのタレス透過暗号化による対応解説ビデオ(YouTube )

タレスのデータ保護ソリューションで PCI DSS 4.0準拠に備える - ホワイトペーパー

Vault Icon

要件2

すべてのシステムコンポーネントに安全な構成を適用する

Vault Icon

要件3

保存されたカード会員データを保護する

Strong Cryptography Key Icon

要件4

オープンな公共ネットワークでの伝送時に、強力な暗号化技術でカード会員データを保護する

Strong Cryptography Key Icon

要件6

安全なシステムとソフトウェアを開発および維持する

Protected Cardholder Data Icon

要件7

システムコンポーネントおよびカード会員データへのアクセスを、業務上必要な範囲内に制限する

Authenticate User Access Icon

要件8

ユーザーを識別してシステムコンポーネントへのアクセスを認証する

card Icon

要件9

カード会員データへの物理的アクセスを制限する

Access Log Icon

要件10

システムコンポーネントとカード会員データへのすべてのアクセスを記録して監視する

Access Log Icon

要件12

組織のポリシーとプログラムで情報セキュリティをサポートする

                           

  • 規制
  • コンプライアンス

PCI DSSとは?

PCI DSS(ペイメントカード業界データセキュリティ基準)は、ペイメントカードのアカウントデータのセキュリティを推進および強化し、一貫したデータセキュリティ基準の幅広い採用をグローバルに促進するために策定されました。PCI DSS は、アカウントデータの保護を目的とする技術要件と運用要件のベースラインとして利用できます。12の主要要件は、6つの重要な原則を表しています。

PCI DSS 4.0はいつ有効になるか?

PCI DSS v3.2.1は、v4.0が公開された後も2年間有効です。この間に、組織は新バージョンについてよく理解し、必要な変更を計画し実施します。実施スケジュールは下図をご覧ください。

[図1: PCI DSS 4.0の実施スケジュール。出典:PCI SSC]
 

PCI DSSの監査とコンプライアンスに関連するリスク

  • PCI DSSコンプライアンス要件に準拠しない場合、罰金、手数料の増加、さらにはペイメントカード取引の処理資格の停止につながる可能性があります。
  • PCI DSS への準拠は単独で考えることはできません。組織はさまざまなセキュリティ義務や、データ保護およびプライバシーに関する法律や規制の対象となります。一方で、PCIコンプライアンスプロジェクトは、より広範なエンタープライズセキュリティの取り組みによって容易に脇道にそれる可能性があります。
  • PCI DSS 要件に関連するガイダンスや推奨事項には、すでに実施されている可能性が高い一般的な慣行が含まれています。しかし、特に暗号化や多要素認証に関連するものなど、一部は組織にとって新たに対応する必要がある可能性があり、正しく設計されていない場合は実装に際して混乱が生じ、運用効率に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 運用が複雑で費用のかかる複数の独自ベンダーソリューションや、不十分なテクノロジーを使用すると、いとも簡単にセキュリティへのアプローチが断片的になってしまいます。
  • PCI DSSコンプライアンス義務の範囲を縮小し、コストを削減して影響を軽減することは可能です。しかし、新しいシステムとプロセスがPCI DSSに準拠していると認定されるように注意義務を尽くさなければ、時間と費用を無駄にすることになります。

統合コンプライアンスソリューション

タレスは、銀行や金融機関が業界の要件に準拠できるように支援してきた数十年の経験を活かして、保存されたカード会員データを保護し、伝送用に暗号化し、必要に応じてアクセスを制限できるようにする統合製品・サービスを提供しています。さらに、タレスはパートナーと緊密に連携し、PCI DSSコンプライアンス準拠の対象範囲を縮小できる包括的なソリューションを提供しています。

PCI DSSのコア原則に対応

タレスは、PCI DSSのコア原則への対応をサポートする、包括的なPCI DSSコンプライアンスソフトウェアソリューションを提供しています。

  • 保存されたカード会員データを保護する: タレスの CipherTrust ManagerLuna Hardware Security Modules (HSMs)は、オンプレミスや、タレスのData Protection Luna Cloud HSMサービスとしてのクラウドでの利用、ハイブリッド 環境での利用が可能で、これにより組織は暗号操作の実行や暗号化の一元管理を行い、さまざまな暗号化、トークン化、データマスキングソリューションを使用して、従来型環境でも、クラウドや仮想化環境でもファイル、フォルダ、アプリケーション、データベース内のカード会員データを保護することができます。
  • オープンな公共ネットワークでの伝送時に、強力な暗号化技術でカード会員データを保護する: タレス の高速ネットワーク暗号化(HSE) は、オープンなネットワークを通過するカード会員データやその他の機密データを暗号化します。
  • 安全なシステムとソフトウェアを開発し、保守する: タレスのLuna HSMLuna Cloud HSMs を使用すると、署名マテリアルを信頼できるハードウェアデバイスに安全に保存できるため、アプリケーションコードの信頼性と完全性を確保できます。
  • システムコンポーネントおよびカード会員データへのアクセスを、業務上必要な範囲内に制限する: SafeNet Trusted Access を使用すると、一意のユーザーID、リスクベースの認証ポリシーを一元管理し、カード会員データ環境(CDE)内のシステムへのアクセスを追加したり取り消したりすることができます。SafeNet Trusted Accessは、多様なユーザーやユーザータイプのニーズに対応する、強力で拡張性のある先進認証機能を提供します。
  • ユーザーを識別してシステムコンポーネントへのアクセスを認証する: タレスの SafeNet Trusted Access は、各ユーザーに一意の資格情報を割り当てることを保証します。SafeNet Trusted Accessは、非常に幅広い認証方式とフォームファクタをサポートしており、一元管理される統一されたポリシーによって、多様なユースケース、保証レベル、脅威ベクトルに対処できます。これは、1つの認証バックエンドから管理され、クラウドまたはオンプレミスで提供されます。サポートされる認証方式には、ステップアップ機能、ワンタイムパスワード(OTP)、X.509証明書ベースのソリューション、FIDOセキュリティ鍵を組み合わせたコンテキストベース認証などがあります。
  • カード会員データへの物理的アクセスを制限する: タレスのSafeNet Trusted Accessスマートカードは、さまざまな建物アクセス技術と統合でき、従業員の物理IDとデジタルIDの両方として機能します。
  • システムコンポーネントとカード会員データへのすべてのアクセスを記録して監視する: タレスポートフォリオの全製品が、暗号鍵のライフサイクル操作(作成/削除/ローテーション/失効)と認証イベントを記録する監査レコードを生成するため、フォレンジックやインシデント報告に利用できます。
  • 組織のポリシーとプログラムで情報セキュリティをサポートする: CipherTrust Data Discovery and Classification (DDC: データ検出と分類)を使用すると、PAN を含む PII のすべてのソースと場所の特定が容易になり、現在定義されている CDE の外側のシステムやネットワーク上、または CDE 内の予期しない場所に存在する PAN を探すことができます。 定義された CDE を使用し、CDE の外部で PAN が見つかった場合は、CipherTrust Transparent Encryption (透過暗号化) の組み合わせソリューションを使用してデータ修復を自動化します。
  • 関連リソース
  • その他の主要なデータ保護とセキュリティ規制

    GDPR

    規制
    アクティブ ナウ

    これまでで最も包括的なデータプライバシー基準とされるGDPRは、組織がどこの国にあろうとも、EU市民の個人データを保持する全ての組織に対応を求められます。

    PCI DSS

    必須
    アクティブ ナウ

    クレジットカード及びデビットカードの決済処理事業者は、アカウントデータの処理、保存および送信に関する厳格なPCIDSSコンプライアンス要件に準拠する必要があります。

    データ漏えい通知法

    規制
    アクティブ ナウ

    個人情報漏えいが発生した場合に、データ侵害報告義務の要件は、世界中の国々によって制定されています。それは管轄国で違いはありますが、ほぼ全てに「セーフハーバー」条項が含まれています。