ソフトウェア著作権ミニガイド 2021年版

コーディングを学び始めるときに、知的財産法について最初に考えるプログラマーはほとんどいないでしょう。しかし、ソフトウェアの使用、設計、販売、マーケティングはすべて、ソフトウェア開発者が作業中に対処しなければならない著作権問題を引き起こします。

ソフトウェア著作権とは？

ソフトウェア著作権とは、マシンによって読み取られることを意図したコードの法的保護を意味します。ソフトウェア著作権は、ソフトウェアの開発者と所有者が、人々が許可なく知的財産をコピーしたり、同意していない方法で知的財産を使用したりするのを防ぐために使用されます。

ソフトウェアを保護するにあたり、最初にすべき質問は「ソフトウェアに商標または著作権を取得しているか」ということです。答えは、著作権法の基本的な概要から始まります。この法律分野は、アイデアの知的財産を対象としています。例えば、本の著作権は、紙やインク、装丁ではなく、書かれた言葉が対象となります。一方、特許は、価値を持たせるために製造する必要のあるアイデアに対するもので、商標は製品そのものではなく、ブランドを表すものが対象となります。もちろん、ソフトウェアは比較的新しい概念であり、ソフトウェアがどのカテゴリーに属しているのかは、すぐにははっきりしませんでした。 

当初、米国の法律では、ソフトウェアのソースコードをブループリントに相当するものと見なしていました。しかし1974年に、それを再考するための委員会が発足されました。1980年にソフトウェア著作権法の定義が改訂され、それに続いていくつかの訴訟が行われた後、ソフトウェアは最終的に文学作品として分類され、「ソフトウェアは著作権で保護できるのか」という質問に対する答えがついに明らかになりました。

ソフトウェア著作権に関する問題：IPパズル

今でもなお「ソフトウェア著作権とは何を意味するのか」という質問が繰り返されています。ソフトウェア著作権とは、誰がソフトウェアをコピー・配布できるかを決定し、ソフトウェアを不正使用した人を起訴する法的権利です。ただし、まだ知的財産の独自カテゴリーには分けられておらず、特定のソフトウェア著作権に関する問題は、本、音楽、画像といった他の種類の知的財産とは共有されていません。

例えば、ほとんどのソフトウェアには、テキスト、画像、音声といった他の種類のメディアが含まれています。また、適応するように作られています。更新と新しいバージョンは定期的に公開されており、ソースコードの一部を他の場所から取得したり、再利用したりすることができます。別のプログラミング言語へのコード変換を含むこの種の適応は、著作権ソフトウェアライセンスによっては侵害とみなされる可能性があります。ただし、コードをコンピューターメモリにある程度コピーすることは、ソフトウェアが機能する上で通常行われることです。これにより、ソフトウェア開発者に対して著作権問題が発生します。

著作権保護：強力な海賊行為対策

競合他社にコードをコピーされるのを阻止しなければなりません。ソフトウェア開発に時間と労力を費やしたなかで、その投資に対する見返りとして利益を得ることは重要です。人々のために仕事をしているなら、この戦いは非常に困難なものになるでしょう。

しかし、ソフトウェア著作権に関する問題において、盗用と同様に海賊行為も懸念事項となります。ソフトウェアの海賊行為には、サブスクリプションの有効期限が切れた後もソフトウェアを使い続ける顧客から、偽造版を販売・配布するハッカーまで、あらゆるものが含まれます。どのような形態であっても、これらはすべてソフトウェア著作権侵害の例です。開発者にとって、このタイプのソフトウェア著作権侵害にはいくつかの異なるリスクが伴います。

まず第一に、ソフトウェアの非承認コピーは収益の損失を意味します。収益機会を逃すだけでなく、損害を被る可能性もあります。料金が支払われていないソフトウェアのコピーに対して、サービスを提供しているという状況もあり得ます。偽造バージョンや旧バージョンは品質基準に達していない可能性があり、ブランドの評判を損なう恐れがあります。最悪の場合、海賊行為は重大なデータセキュリティ違反につながる可能性があります。

対策として講じられるステップは多数存在しますが、それらの根底にある法的メカニズムはソフトウェア著作権です。著作権保護は、海賊行為対策において強力な役割を果たします。これにより、ソフトウェア著作権侵害が発生した場合に起訴を起こすことができます。ソフトウェアの公開前に著作権を登録することで、より高額の損害賠償を得られるようになり、ひいては海賊行為の防止につながります。

著作権ソフトウェアライセンシングを理解

ソフトウェアを盗用から保護しつつ、ユーザーに共有して使用してもらいたい場合は、著作権ソフトウェアライセンシングの出番です。ライセンシングは、著作権を侵害することなくソフトウェアを使用できるようにする方法です。ただし、パブリックドメインのソフトウェアは例外となります。開発者は、ソフトウェアを著作権でまったく保護することなく、一般に公開することを選択できます。

パブリックドメインを、オープンソースやプライベートのライセンス付与されていないソフトウェアと混同しないでください。これらのカテゴリーにはソフトウェア著作権が存在しますが、自由に使用できます。オープンソースライセンスの特定の種類によっては、コードの変更やクレジット、使用方法に関する制限が含まれる場合があります。

ほとんどの場合、著作権ソフトウェアライセンスと言うと、プロプライエタリソフトウェアと有料ライセンシングを指します。このようなソフトウェア著作権には、ユーザー数、一時的サブスクリプション、使用量などに基づいたさまざまなライセンシングモデルがあります。

ソフトウェアを販売する場合、著作権は自動的に発生します。しかし、著作権をどこにマークするか、どのようにライセンスを付与するかなど、ソフトウェア著作権に関する問題が依然として残ります。このような決定は、ビジネスモデル、ソフトウェアの使用方法、必要なセキュリティの種類などによって異なります。

ソフトウェア著作権の取得方法

ソフトウェア開発者が直面する著作権問題は、見た目ほど単純ではありません。基本的に、少なくとも米国では、公開されたソフトウェアは自動的に著作権で保護されます。ソフトウェアに©マークを付けることで、そのソフトウェアをコピーすることは公式に違法となります。ただし、著作権の登録作業が完了するまで、誰も起訴することはできません。

著作権の登録プロセスは世界中で異なります。例えば、米国では単一フォームが使用されます。必要な情報は単純なもので、ソフトウェアのタイトルと作成者、発行日、著作権の所有者、連絡先情報などです。

ソフトウェアには他のソースからの音声ファイルや画像、テキストが含まれていることが多いため、著作権に含まれるものを正確に指定し、他の場所でライセンス付与されている要素をリストアップするように求められます。次に、カテゴリーを選択する必要があります。ソフトウェアは技術的には文字と数字で構成されるため文学作品として登録されますが、画像やアニメーションが製品のメインであると考える場合は、視覚芸術や舞台芸術を選択することもできます。

海賊行為防止と侵害との戦い

ソフトウェア著作権侵害の例には、顧客が自宅コンピューターから作業できるようにコピーを作成することから、海賊行為者がソフトウェアを改ざんして一般に販売することまで、あらゆるものが含まれます。著作権を取得することは、これらの問題を阻止する上で役立ちますが、他のいくつかの解決策も、著作権侵害を防ぎ、違反を見つけて起訴するのに効果を発揮します。

カスタマーサービス

ソフトウェアの購入やサブスクリプションの更新、アカウントの更新を簡単に行えるようにすることで、ソフトウェアの不正使用の大部分を防ぐことができます。顧客の予算とソフトウェアの使用方法に合った価格設定モデルとパッケージを用意することによっても、違いを生むことができます。ほとんどの人は、使用するものに対して料金を支払うことに抵抗はありません。ただ、使用していない多くのコピーや機能に対してお金を払いたくなく、そのためにプロバイダーと面倒なやり取りをしたくないと感じています。

コードの秘密性を維持

ここでの最初のステップは、従業員がいくつかの基本的なルールを理解していることを確認することです。コードにアクセスできるユーザーを制限し、それらのユーザーに機密性プロトコルの概要を説明します。より技術的な側面としては、すべてのデータが暗号化されていることを確認することです。これにより漏洩が発生してもデータは使用できなくなります。

冗長コード

一部の企業では、コードに不要な小さなコンポーネントを含めています。誰かがあなたのコードをコピーしている場合、冗長コードにより、著作権違反が発生したことを容易に証明できます。

ライセンシング管理ソリューション

ライセンシング管理は、プロバイダーとユーザーが、ライセンス付与されているコピー数とサブスクリプションのタイプを追跡する上で役立ちます。また、ほとんどの場合において、タレスのSentinelソリューションを含むライセンシング管理ソフトウェアもプロテクションキーの使用をサポートします。プロテクションキーは、ソフトウェアとは別に保持され、ソフトウェアにアクセスするために必要となるコードです。これらのキーは、ダウンロード可能なソフトウェアとしてUSBに保存できます。また、クラウドにも保存でき、その場合はソフトウェア使用中に取得して、その後リモートサーバーに戻すことができます。

タレス Sentinelソリューションによるソフトウェア著作権の保護

ソフトウェア著作権保護のあらゆる手段を、タレス Sentinelがサポートします。カスタマイズ可能なライセンス管理、プロテクションキー、ソフトウェアセキュリティソリューションがソフトウェアIPの保護にどのように役立つかについて、詳しくご覧ください。