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Saasの価格モデル

ソフトウェアの価格設定モデルほど収益に影響を与えるものはありません。しかし、ソフトウェアの価格設定オプションには非常に多くの種類が存在するため、顧客と収益に最もメリットをもたらすような製品の価格設定方法を見つけ出すのは、簡単なことではありません。 

価格設定が低すぎると、収益目標を達成するのが大変です。逆に価格設定が高すぎると、例えスペックを下げたとしても他に廉価な類似品が出回っているため、貴社のソフトウェアに関心を示した顧客も他社製品へと流れてしまいます。

ソフトウェアの価格設定モデルについて理解できるよう、以下に最も一般的な例をいつくかご紹介します。

定額価格設定

定額価格設定により、SaaSの価格設定をシンプルなものにすることができます。このモデルを使用することで、1つの製品、1組の機能、1種類の価格によるサービス提供が可能になります。定額価格設定は、ユーザーが製品に対して一括払いを行っていた「古き良き時代」のソフトウェアの価格設定の要素を残しつつ、月額料金を請求できるという利点も備えています。

定額価格設定により、製造者と顧客の両方にとってシンプルなソフトウェアライセンスの価格設定を実現することができます。使用料ベースの価格設定で必要となる計算、階層型価格設定に伴う複雑さ、また多くの機能の選択肢に悩まされることがありません。しかし、製品と価格が顧客のニーズにマッチする場合もあれば、まったくマッチしない場合もあるという欠点があります。このSaaSの価格設定アプローチでは、機能を追加したり、顧客が必要としない要素を削除したりすることができません。

使用量ベースの価格設定

「従量課金制」モデルとも呼ばれる使用量ベースの価格設定は、使用した分だけ料金を支払うという、顧客にとってわかりやすいSaaSの価格設定戦略を提供します。つまり、使用すればするほどコストが高くなるという、顧客にとって理解しやすいシンプルなシステムです。このソフトウェアの価格設定モデルを選択する場合、収益の予測が難しいという欠点があります。

階層型価格設定モデル

SaaSの価格設定モデルの複雑化が進み、階層型価格設定モデルは、ボリュームベースの価格設定としばしば混同されます。階層型とボリュームベースの両方の価格設定モデルでは、購入するライセンス数が多いほど、価格設定により違いが生まれます。ボリュームベースの価格設定では、例えば購入するライセンス数が多いほど、ユーザーごとにかかる料金が低くなります。

階層型価格設定モデルでは、ユーザーは特定のライセンス数を超えると割引を受けることができます。ただし、ボリュームベースの価格設定とは異なり、割引は全体的に適用されるのではなく、階層単位で適用されます。

例えば、123SaaS Inc.では次のような3つの価格帯を提供しています。

  • 階層1:1〜50個目のライセンスに対し、ライセンスあたりの価格は100ドル
  • 階層2:51〜100個目のライセンスに対し、ライセンスあたりの価格は80ドル
  • 階層3:101個目以上のライセンスに対し、ライセンスあたりの価格は60ドル

したがって顧客がライセンスを101個購入した場合、料金は、5,000ドル(100ドル x 50個)+ 4,000ドル(80ドル x 50個)+ 60ドル(60ドル x 1個)= 9,060ドルになります。

ユーザーごとの価格設定モデル

ユーザーごとの価格設定モデルは、ユーザー数に応じて価格を変更しながらすべての機能とメリットをユーザーに提供することを可能にし、SaaSの価格設定モデルの中でも常に高い人気を誇ってきました。しかし最近では、人気が落ちてきています。

ユーザーごとの課金制の欠点として、価格を重視する顧客はコストを削減するために、ライセンスの購入数を最小限に抑えようとします。ユーザー数の少ない顧客の場合、同様の製品をより手頃な価格体系で提供する他社に乗り換え、貴社のサービスを解約する可能性も高くなります。貴社の製品に基本的な価値を見出せなければ、顧客がその製品を使い続けることはありません。そのため、製品の価格設定について別のアプローチを試す方が賢明な場合があります。

アクティブユーザーごとの価格設定モデル

大企業の場合、誰もが使用するわけではないソフトウェアのライセンスを購入することに、抵抗を感じることがあるかもしれません。ここで、アクティブユーザーごとのSaaSの価格設定戦略の出番です。このソフトウェアの価格設定戦略では、顧客はできるだけ多くのユーザーを登録するよう推奨されますが、ソフトウェアを実際に使用するアクティブユーザーに対してのみ支払いを行うことになります。

このSaaSの価格設定タイプの成功例として、自らを「コラボレーションハブ」と称するSlackが挙げられます。Slackは、ユーザーごとに機能し、アクティブユーザーが非アクティブになった場合に顧客のクレジットを保証する「公正な請求ポリシー」を採用しています。

このSaaSの価格設定モデルには明らかなメリットがあります。つまり、ユーザーが実際に使用したサービスに対してのみ請求が行われるため、企業は新たなソフトウェアをより気軽に試すことができるようになります。

フリーミアム価格設定モデル

フリーミアムタイプのSaaSの価格設定モデルは、「購入する前に試してみる」という原則に基づいて機能します。このソフトウェアライセンスの価格設定戦略は、Dropbox Basicで限られた量のストレージ(2GB)を無料で提供し、その後はユーザーが2TBや3TBのスペースから、Dropboxのエンタープライズプランを利用して容量無制限のストレージまでサインアップできるようにする、Dropboxなどの企業に適しています。 この価格設定戦略のポイントは、まず提供するサービスを顧客に気に入ってもらい、そこから、たとえ料金が発生するとしても、サービスを使い続けたいと思わせるよう促すことです。

結論

多数存在する選択肢の中から、どのソフトウェアの価格設定モデルを採用するとしても、最適な収益を得るにあたり、同じ価格設定が機能し続けるとは限りません。使用するSaaSの価格設定モデルを監視して、顧客ベースを拡大し維持できていることを常に確認する必要があります。多くの解約が発生した場合や、以前ほど登録数が得られなくなった場合は、製品の価格設定方法を見直し、異なる価格帯やSaaSの価格設定戦略によって状況を好転させることができるか検討する必要があります。