4種類のソフトウェアメンテナンス

ソフトウェアメンテナンスとは？

ソフトウェアメンテナンスは、顧客のニーズに対応するためにソフトウェアを変更、修正、および更新するプロセスです。ソフトウェアのメンテナンスは、ソフトウェア全体の改善、問題やバグの修正、パフォーマンスの向上など、いくつかの理由で製品の発売後に行われます。  

ソフトウェアのメンテナンスは、SDLC（ソフトウェア開発ライフサイクル）に自然と含まれる部分です。ソフトウェア開発者には、製品の発売後、初期バージョンをそのまま提供し続けるというよう余裕はありません。競争力を維持するために、ソフトウェアの修正と改善の両方に常に目を光らせる必要があります。

適切なソフトウェアメンテナンス技術と戦略を使用することは、ソフトウェアを長期間実行し続け、顧客とユーザーを満足させるための重要な部分です。 

ソフトウェアメンテナンスが重要な理由とは？

新しいソフトウェアを作成して世界に向けてリリースすることは、どの企業にとってもエキサイティングなステップです。ソフトウェアの作成とその発売には、実際の構築とコーディング、ライセンスモデル、マーケティングなど、多くのことが関わっています。しかし、優れたソフトウェアはどれも時代に適応できなければなりません。 

これは、適切に監視および保守することを意味します。テクノロジーは光速のような速さで変化しているため、ソフトウェアは市場の変化と需要に対応する必要があります。 

ソフトウェアメンテナンスの4つのタイプとは？ 

4つの異なるタイプのソフトウェアメンテナンスは、それぞれ異なる理由と目的で実行されます。特定のソフトウェアは、その存続期間を通して1～2つ、またはすべてのタイプのメンテナンスを受ける必要がある場合があります。

4つのタイプは次のとおりです：
是正ソフトウェアメンテナンス
予防ソフトウェアメンテナンス 
完全化ソフトウェアメンテナンス
適応ソフトウェアメンテナンス

是正ソフトウェアメンテナンス

是正ソフトウェアメンテナンスは、典型的かつ古典的な形式の保守です（ソフトウェアおよびその他の問題について）。障害やエラーなど、ソフトウェアに問題が発生した場合は、ソフトウェアの是正メンテナンスが必要です。これらの問題は、一般的にソフトウェアの機能に広範な影響を与える可能性があるため、可能な限り迅速に対処する必要があります。 

多くの場合、ソフトウェアベンダーは、ユーザーから送信されるバグレポートが原因で、修正メンテナンスが必要な問題に対処できます。ユーザーが障害を発見する前に企業が障害を認識して処理できれば、企業の評判と信頼性を高める上でのメリットとなります（結局のところエラーメッセージを好む人は誰もいません）。

予防ソフトウェアメンテナンス

予防ソフトウェアメンテナンスは、ソフトウェアが可能な限り長く希望どおりに機能し続けられるように、将来を見据えています。 

これには必要な変更、アップグレード、適応などが含まれます。予防ソフトウェアメンテナンスは、特定の時点では重要性を欠くものの、将来的により大きな問題になる可能性がある小さな問題に対処します。これらは潜在的な障害と呼ばれ、効果的な障害にならないように検出して修正する必要があります。 

完全化ソフトウェアメンテナンス

市場に出回っている他の製品と同様に、ソフトウェアが一般にリリースされると、新しい問題やアイデアが浮かび上がります。ユーザーは、ソフトウェアを自分のニーズに合った最適なツールにするために、ソフトウェアに新しい機能や要件が追加される必要性を感じるかもしれません。これこそが、完全化ソフトウェアメンテナンスが機能するときです。 

完全化ソフトウェアメンテナンスは、必要に応じて新しい機能を追加し、特定のソフトウェアに関係のない、または効果のない機能を削除することによってソフトウェアを調整することを目的としています。このプロセスにより、市場やユーザーのニーズの変化に応じてソフトウェアの関連性が維持されます。 

適応ソフトウェアメンテナンス

適応ソフトウェアメンテナンスは、ソフトウェアに関するポリシーとルールだけでなく、変化するテクノロジーとも関係があります。これらには、オペレーティングシステムの変更、クラウドストレージ、ハードウェアなどが含まれます。これらの変更を実行する場合、新しい要件を適切に満たし、正常に動作させ続けるために、ソフトウェアを適応させる必要があります。 

ソフトウェアメンテナンスのプロセス

ソフトウェアメンテナンスのプロセスには、保守の種類と実施されているソフトウェアメンテナンス計画に応じて変更できるさまざまなソフトウェアメンテナンス手法が含まれます。 

ほとんどのソフトウェアメンテナンスプロセスモデルには、次の手順が含まれています。

1.    識別とトレース – ソフトウェアのどの部分を変更（または保守）する必要があるかを判断するプロセス。これは、状況や特定の障害に応じて、ユーザーが決定するか、ソフトウェア開発者自身が特定できます。
2.    分析 – そのような変更の潜在的な影響を理解することを含む、提案された変更を分析するプロセス。このステップには通常、変更が経済的に価値があるかどうかを理解するためのコスト分析が含まれます。
3.    設計 – 要件仕様を使用して新しい変更を設計します。 
4.    実装 – プログラマーが新しいモジュールを実装するプロセス
5.    システムテスト – 発売前に、ソフトウェアとシステムをテストする必要があります。これには、モジュール自体、システムとモジュール、およびシステム全体のテストが含まれます。 
6.    受入れテスト – ユーザーは、変更が受け入れられるかどうかをテストします。ユーザーは進行中の問題を特定し、より効果的な実装と変更のための推奨事項を生成できるため、これは重要なステップです。 
7.    配信 – ソフトウェアの更新、または場合によってはソフトウェアの新規インストール。この時点で、変更が顧客に届けられます。 

ソフトウェアメンテナンスのコスト

ソフトウェアメンテナンスのコストは高くなる可能性があります。ただし、これはソフトウェアメンテナンスの重要性を否定するものではありません。場合によっては、ソフトウェアメンテナンスに、ソフトウェアプロセスサイクル全体の最大2/3、またはSDLCプロセスの50％以上のコストがかかることがあります。 

ソフトウェアメンテナンスに伴うコストは複数の要因によるものであり、特定の状況によって異なります。テクノロジー（およびコーディング言語）は時間と共に変化するため、ソフトウェアが古ければ古いほど、メンテナンスにかかるコストが高くなります。今日のテクノロジーに合わせて古いソフトウェアを刷新することは、特定の状況では非常にコストのかかるプロセスになる可能性があります。 

さらにエンジニアは、特定のソフトウェアのアップグレードまたは保守を検討するときに、常に正確な問題をターゲットにできるとは限りません。これにより、試行錯誤を重ねることになり、作業に何時間もかかる可能性があります。 

ソフトウェアメンテナンスのコストを削減する方法がいくつかあります。これらには、ソフトウェアで使用されるプログラミングの最上位の最適化、強い型付け、関数型プログラミングが含まれます。 

新しいソフトウェアを作成するとき、および古いモデルの保守プロジェクトを引き受けるとき、ソフトウェア会社はソフトウェアメンテナンスのコストを考慮に入れる必要があります。メンテナンスがなければ、ソフトウェアは時代遅れになり、時間の経過と共に本質的に役に立たなくなります。 

ソフトウェアメンテナンス戦略

すべてのソフトウェア企業は、効果的かつ完全な方法でソフトウェアメンテナンスに取り組むための特定の戦略を実施する必要があります。 

ドキュメントは、ソフトウェア開発における重要な戦略のひとつです。ソフトウェアのドキュメントが最新でない場合、アップグレードは一見不可能に見える可能性があります。ドキュメントには、コードの動作、潜在的な問題の解決策などに関する情報を含める必要があります。 

またQAは、ソフトウェアメンテナンス計画の重要な部分です。QAは、最初のソフトウェアの発売前に重要ですが、ソフトウェアが正しく開発されていることを確認し、必要に応じて変更を加えるための洞察を提供するために、プロセスのかなり早い段階（最も早いものであれば計画段階）で統合することもできます。 

タレス製品を使用してソフトウェアメンテナンス技術を強化

ソフトウェアメンテナンス計画を立てることは、効果的なソフトウェアメンテナンスへの第一歩です。そのためには、ソフトウェアで機能する適切なテクノロジーをセットアップする必要があります。 

タレスのソフトウェアライセンシングおよび管理プラットフォームを使用すると、ソフトウェアで何が起こっているかを現場でリアルタイムに確認し、顧客と一貫してコミュニケーションを取ることが容易になります。