ソフトウェアバージョン管理の基本

ソフトウェアベンダーにとって基礎製品を変更するのではなく、機能の拡張、問題修正などを行うソフトウェア内の変更は、ソフトウェアの新バージョンと呼ばれます。ソフトウェア更新は、ソフトウェアの寿命の一部分です。時間の経過とともに新機能がリリースされ、開発者がバグを修正します。また、エキサイティングな更新や新バージョンが作成されるにつれて、ソフトウェアのスパンが進化します。そのため、ソフトウェアのバージョン管理は本番環境において不可欠な部分です。 

ソフトウェアのバージョン管理は、ユーザーとソフトウェアプロバイダーの両方にとって、プロバイダーがリリースするさまざまなバージョンを追跡するために重要です。ユーザーは、ソフトウェアを最新の状態に保つにあたりソフトウェア開発者に依存しており、いつ、どのような更新がリリースされるかを系統的に理解するための方法を求めています。ソフトウェアベンダーにとって、バージョン管理はさらに重要です。ソフトウェアベンダーはソフトウェアのバージョンを追跡し、収集したインサイトを使用してセグメンテーションおよび収益化プランを強化します。重要な更新と二次的な更新を分離することにより、ベンダーは特定機能を強調・セグメント化し、そのような機能に対して課金することができます。またソフトウェアベンダーは、最新バージョンのソフトウェアを使用してクライアントを識別し、更新が必要なクライアントを分離することによってもメリットを受けます。顧客の使用バージョンを追跡することで、古いソフトウェアによるユーザーエクスペリエンス低下リスクを軽減できます。 

ソフトウェアのバージョン管理とは？

ソフトウェアのバージョン管理は、ソフトウェア会社がリリースするソフトウェアバージョンに関連します。リリースされるソフトウェアの各バージョンには、ソフトウェアバージョン番号が付与されています。バージョンのリリースと変更を把握することは、自社のロードマップビジョンを持つCレベルリーダー、また、プロジェクト計画の進捗を確認するプロジェクトマネージャーにとって不可欠です。個人ユーザーもまた、コンピューターやスマートフォンのソフトウェアバージョンを調べて、最新システムを使用していることを確認します。

すべてのソフトウェアバージョンには名前が付けられています。名前には通常、数値が割り当てられ、ソフトウェアバージョンの進化に応じたいくつかの標準システムが存在します。 

ソフトウェアバージョンには、どのように名前が付けられるのでしょうか？ 

前述のように、企業によってソフトウェアの命名規則は異なります。セマンティックバージョニングが最も一般的な命名方法ですが、言及すべき他の方法も存在します。

どの方法でも必ず、番号付けを一貫して使用します。これにより、ソフトウェア会社がソフトウェア管理を維持し、ユーザーは特定ソフトウェアの更新とリリースを追跡できるようになります。

ソフトウェアのバージョン番号付けの最も一般的な方法には、次のようなものがあります。

• セマンティックナンバリング – Major.Minor.Patchに基づく3桁の番号付け手法
• リリース日 – ソフトウェアのバージョン番号にリリース日を使用：20.06（2020年6月）など
• 単項ナンバリング
• 英数字コード
• 連番ナンバリング

セマンティックバージョニングとは？

セマンティックバージョニングは、ソフトウェアバージョンに番号付けするための最も一般的な方法の1つです。このメソッドでは、Major.Minor.Patchシーケンスで、ソフトウェアバージョンごとに3つの番号を使用します。メジャー、マイナー、パッチ更新が行われると、対応する数が増加します。

• メジャーバージョンの変更は、互換性のないAPIの変更に関連しています。
• マイナーバージョンの変更は、下位互換性のある方法で新機能を追加することに関連しています。
• パッチバージョンの変更は、下位互換性のあるバグ修正に関連しています。

新しいバージョン管理で行われた変更の種類に応じて、バージョン番号が1桁増加します。

例えば、ソフトウェアバージョン1.3.1は、ソフトウェアが最初のメジャーバージョンにあり、3つの追加機能が追加され、1つのパッチ修正が実装されていることを意味します。開発者がそのバージョンのバグを修正すると、次のバージョンリリースの名前はバージョン1.3.2になります。

ソフトウェア開発におけるセマンティックバージョニングの役割

セマンティックバージョニングは、ソフトウェアのバージョンに適切な番号を付け、顧客ができるだけ簡単に使用できるようにするために、ソフトウェア開発で広く使用されています。

一部の製品には、Major.Minor.Patch番号の詳細な表示が必要とされず、代わりにより単純なMajor.Minor.システムが使用されます。対照的に、リリースを頻繁に行う企業は、さらなる番号付けスキームを採用しています。それらの企業は、典型的なセマンティックシナリオの最後に修飾子を追加します。そのため、3桁の数字列の代わりに、ソフトウェアの更新バージョンには4つの数字が含まれます。

セマンティックバージョニングは、厳密な構造内で柔軟性を提供します。各企業は、エンドユーザーにとって有益かつ有用な状態を維持しながら、更新で公表したい詳細の適切なレベルを特定する必要があります。

ソフトウェアバージョン管理のベストプラクティス

ビジネスで使用するソフトウェアバージョン管理ツールを決定する際は、必ずユーザーを念頭に置いてください。結局のところ、バージョン番号はユーザーをサポートするためにあります。

ソフトウェアバージョン管理のベストプラクティスとは？

1.    透明性と整合性を維持

ユーザーは、ソフトウェアの更新とリリースから何が得られるかを疑問に思っています。例えば、AppleがiOSのメジャーアップデートを年に1回リリースすることは周知の事実であり、ユーザーはこの更新を楽しみにしています。Appleが散発的なスケジュールでメジャーアップデートをリリースし始めた場合、ユーザーは混乱し失望するでしょう。Appleとユーザー間で信頼関係が失われ、顧客満足度の低下につながります。

2.    リリーススケジュールを公開

サプライズな変更実行は誰も望んでいません。リリーススケジュールを公開することで、ユーザーは予定を把握でき、ソフトウェア会社とユーザー間コミュニケーションと信頼が高まります。また、リリーススケジュールは、製品の更新や変更が必要であるというフィードバックを、顧客がソフトウェア会社に提供する場合にも役立ちます。リリーススケジュールを示し、問題解決にすでに取り組んでいることを顧客に保証することができます。  

3.    バージョン管理システムについて説明 

セマンティックバージョニングとは何かと、バージョン番号の見方をユーザーに説明してください。システムを説明することは、B2Cセールスにおいてや、顧客がセマンティックバージョニングを理解していない場合には特に重要ですが、B2Bセールスにおいても同様です。  

企業ごとにさまざまな説明方法を使用しています。例えば、文書やメーリングリスト、さらにはソーシャルメディアチャネルを介して説明を行うこともできます。 

4.    新バージョンの追加機能をユーザーに通知

過去最高のソフトウェアアップデートをリリースするとしても、マイナーアップデートのリリースであっても、必ずユーザーに通知します。ユーザー満足度向上のために続けてきた貴社の努力について、情報をユーザーと共有してください。貴社が顧客の成功をどれほど気にかけているかを顧客に示す上で、貴社が成し遂げてきたものを共有することは非常に効果的な方法です。ユーザーがIT専門家でも、技術的なバックグラウンドを持っていないひとであっても、ユーザーに明確な情報を共有する必要があります。

5.    ユーザー意見の聞き取り

誰もが大切にされることを望みます。ユーザーのことを重要に捉えていると実感してもらうためには、ユーザーの意見を聞くこと以上に効果的な方法はありません。また、ユーザーフィードバックによって、まったく新しい視点から貴重な情報が得られる可能性があります。

ユーザーは新しいソフトウェアリリースを簡単に識別できますか？ユーザーは新しい更新のペースに追いついていますか？ユーザーは、特定ユースケースのためにダウンロード・インストールする価値があるものを理解していますか？

ソフトウェアユーザーと企業間のオープンなコミュニケーションを維持することで、ソフトウェアのバージョン管理プロセスを大幅に改善し、サービスに対するユーザー満足度を高く保つことができます。

タレス：ソフトウェアバージョン管理向けソリューション

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