SaaSライセンシングとは?
SaaSライセンシングとは、月額料金の支払いと引き換えに、ソフトウェアを顧客に提供するシステムです。SaaS(Software as a Service)ライセンシングモデルは、家賃の支払いに似ています。企業は、月額料金を支払い続ける限り、ソフトウェアを長期間にわたって使用できます。
SaaSの例
数十億ドル規模のSaaS市場は、映画鑑賞からリモートでの雇用契約締結、SaaS保護まで、事実上あらゆるものをカバーするアプリを誇っています。SaaSアプリで有名なのは、Microsoft Office 365、Netflix、DocuSign、Zendeskなどです。
永久ライセンス vs. SaaS
SaaSが登場する以前は、企業は永久ライセンスのソフトウェアを購入し、ハードウェアにインストールすれば、そのソフトウェアは永遠に自分のものでした。SaaSライセンシングモデルでは、企業はクラウドベースのアプリを使用するために月額料金を支払います。SaaSサブスクリプションの料金は、多くの場合、ライセンスに対して多額の前払い金を支払うよりも手頃です。
クラウドベースのSaaSライセンシングは、便利で機敏かつカスタマイズ可能で、次のことを実現します。
- アクセシビリティ – ユーザーは、ラップトップやスマートフォン、タブレットなど、どのデバイスからでもSaaSアプリにアクセスできます。
- 効率性 – SaaSシステムは、機能とサービスを拡張させるための自動更新をユーザーに提供します。
- スムーズな展開プロセス – IT部門は、サーバーのセットアップ、電源供給、冷却などの手順を省略し、新しいソフトウェアシステムの習得や、技術サポート・コンピューターサポートの提供に専念することができるのです。
SaaSにライセンスはあるのか?
SaaSにライセンスはあります。永久ライセンスソフトウェアでは、ユーザーはライセンスを購入しなければなりません。一方SaaSでは、ユーザーはライセンスに署名して、コンプライアンス準拠を明示する必要があります。
SaaSライセンスとは?
SaaSライセンスは、ソフトウェア開発者とユーザー間の契約として機能します。SaaSライセンス契約は、ガイドラインと支払いに対するユーザーのコンプライアンスと、約束どおりに更新と技術サポートを提供し、顧客のプライバシーを保護するというソフトウェア開発者の取り組みを維持することを目的としています。
SaaSライセンスには、以下のものに関してユーザーが同意しなければならない条件が含まれます。
- ユーザーがアクセスできるサービス
- ユーザーが製品を使用できる期間
- アクセス権を持つユーザー数
- 使用可能な場所
- 具体的な使用制限
- SaaSの価格設定
- SaaSの保護オプション
ソフトウェアライセンシングの主な種類
ソフトウェアライセンシングをよりよく理解するために、主なカテゴリーに分類してみましょう。
誰でも無料で使用できるオープンソースソフトウェアには、次の4つのタイプがあります。
- 1. パブリックドメインは最も制約の少ないものです。誰でも使用、修正、再利用できます。
- 2. パーミッシブは著作権や商標権の制約を最小限にしたものです。
- 3. コピーレフトは、同じライセンス制限の下で使用される場合、新たな使用を認めるもので、制限付きライセンスとも呼ばれます。
- 4. GNU Lesser General Public Software(LGPL)は、ソフトウェアがLGPLであることと、ソースコードを改変したことを文書化すれば無料で利用できます。
ただし、最も一般的なSaaSシステムはプロプライエタリソフトウェアです。プロプライエタリソフトウェアはクローズドソースで、使用料がかかる唯一のタイプであり、それは所有者の知的財産です。著作権により、ユーザーが無断で複製、改変、配布することが制限されています。
SaaSの価格設定と戦略
SaaSの価格設定は、月々数ドルのものから数千ドルのものまでさまざまです。製品に適した価格戦略を選択するにあたり、数え切れないほどの要素が存在します。SaaSの価格戦略を策定し、ライセンシングモデルに適用することで、製品を正確に反映し、顧客を引き付ける手頃な料金設定をすることができます。ただし、SaaSの価格戦略を構築した後、その戦略に固執しないでください。3ヶ月に一度、SaaSの価格体系を一貫して見直すことで、急速に変化する市場に対応することができます。
価格戦略
SaaSの価格戦略とは、製品の料金を設定するための方法です。価格戦略を立てるにあたり、次のような重要項目に対する答えを考えてください。
- SaaSの製造コスト
- 利益を出すために必要な請求額
- ターゲット顧客層
- 顧客が支払いをためらわない価格帯
- 市場の現状
- 自社の事業目標
- 注視すべき競合他社
次に、人気の高い5つのSaaS価格戦略について見ていきましょう。
上層吸収価格設定
顧客がためらうことなく支払い得る最大限のレートで製品に価格を設定し、次のターゲット顧客層を引きつけるために段階的に価格を下げていく方法。この戦略は、時間をかけて徐々に価格を下げることで、顧客層を順次「スキミング」していくことを目的としています。
浸透価格設定
上層吸収価格設定とは反対に、初期価格を低く設定することで顧客をターゲットにするもの。浸透価格設定は、多くの顧客層を取り込み、ブランドロイヤリティを高め、競合他社を打ち負かすことを目的としています。
価値ベースの価格設定
価値ベースの価格設定は、顧客がその価値を理解することに基づいて製品のコストを設定します。この方法は包括的な市場調査を必要とし、特に、最先端の機能を持ち、他では手に入らないような高性能製品に適用されます。
コストプラス価格設定
コストプラス価格設定では製品の知覚的価値を考慮しません。その代わり、製品の製造原価をベースにして、一定の割合を上乗せした料金を設定しています。
競争志向型価格設定
「競合製品より圧倒的に安いため顧客が集まってくる」という前提のもと、市場最安の価格で製品を提供しようとするもの。多くの顧客を獲得した後、価格を引き上げ、それでも市場価格を大幅に下回る価格を維持します。
価格設定モデル
適切な価格設定モデルに組み込むことで、価格戦略を最適化することができます。価格設定モデルはライセンシングモデルとも呼ばれ、SaaSアプリケーションの使用に対して顧客に提供する、支払いおよびライセンシングオプションのことを指します。例えば、タレスでは、顧客のニーズを満たすために、一連のライセンシングモデルを含むSentinelライセンシングソリューションを提供しています。
自社のSaaSに適したモデルを選択するためには、調査、分析、試行錯誤が必要です。以下に、検討する価値のある人気の高い価格設定モデルをさらに5つご紹介します。
フリーミアムは無料で利用できます。ただし、より高度なバージョンにアップグレードしたい場合は、サブスクリプションを購入する必要があります。Spotifyはフリーミアムモデルを採用しています。
定額制では、アプリを何回、何人で使っても、すべてのユーザーが同一料金を月々課金されます。例えば、Basecampは定額制を採用しています。
使用量ベースの価格設定では、ユーザーがSaaSアプリを使用した回数に基づいて課金されます。多くの場合、毎月末に、ソフトウェアの使用回数に応じて課金されます。HelpDeskは使用量ベースのシステムを採用しています。
機能ベースの価格設定はユーザーにさまざまな選択肢を提供します。より多く料金を支払うほど、使用できる機能が増えていきます。Quickbooksは機能ベースモデルを採用しています。
段階的な価格設定は、ユーザーのニーズに合わせて様々なレベルを提供します。通常は3~5段階が用意されています。各階層には独自の機能が含まれているか、使用率に応じた顧客ターゲットが設定されています。Zendeskは段階的な価格設定を採用しています。
価格戦略を活用
高いROIを実現するためには、価格戦略や価格設定モデルの策定が必要不可欠です。SaaSライセンス管理方法は、企業が価格戦略を実装し、SaaSライセンスの実践を最適化するのに役立ちます。
SaaSライセンス管理とは?
ソフトウェア開発者向けのSaaSライセンス管理(SLM)には、顧客とのSaaSライセンス契約を文書化、監視、更新する継続的な戦略的プロセスが含まれます。中小企業であれば、比較的容易にライセンスを管理することができますが、何千、何百万ものライセンスを追跡する大企業では、SaaSライセンス管理で管理者をサポートするために自動化が必要になります。SaaSライセンス管理により、ソフトウェア開発会社は次のことが可能になります。
- 大量の情報に対応
- 許容誤差を低減
- ユーザーアカウントを最適化
- ソフトウェアの安全性を確保
- カスタマーコンプライアンスを維持
- 法的な落とし穴を回避
- 決済、ユーザーエクスペリエンス、フィードバックなどすべてのデータを記録
ソフトウェアライセンス管理を成功させることで、信頼できる一貫したSaaSアプリケーションをユーザーに提供することができます。
ベストプラクティス
SaaSライセンシングを成功させるためには、ベストプラクティスの研究、評価、実装に真剣に取り組む必要があります。全体的アプローチをとり、SaaSライセンシングプロセスのあらゆる側面に焦点を当てることで、大きな利益をもたらす高品質かつ理想的なアプリケーションを構築・提供することができます。以下に、顧客満足度を高めるSaaSアプリを開発するためのベストプラクティスをご紹介します。
テクニカルサポートの可用性を優先する
クライアントに長期的なサポートを提供することは、展開段階と同様に重要です。顧客は、料金に見合う質の高いサービスを受けているという実感を求めています。どんな質問にも答えられるよう、24時間365日体制のサポートを提供することで、顧客は安心して製品を購入することができます。さらにSaaSの利用に関するガイドヒントを提供するメールを定期送信することで、積極的にエンゲージメントを高めることができます。メールを自動化されたメールシーケンスに統合することで、プロセスを効率化できます。
どの契約が自社ビジネスに適しているかを検討する
クリックスルー契約では、従業員はマウスを数回クリックするだけでSaaSを取得できます。これに対しエンタープライズ契約では、ベンダーと関係を築き、共に契約書を綿密に検討する必要があります。どちらの契約が自社に適しているかに加え、両オプションの提供も検討してみてください。
価格設定モデルをシンプルにする
シンプルさを優先しましょう。複雑すぎる価格設定によって顧客を失う可能性があるため、価格設定は分かりやすく、シンプルであることが重要です。
強固な記録システムを確立する
各顧客のライセンス契約と購入の詳細が記録された、簡単にアクセスできるダッシュボードまたはスプレッドシートを一元管理します。数百、数千、あるいは数百万のクライアントを抱えている場合、各ライセンス契約を明確に表示することが、効果的なSaaSライセンス管理のカギとなります。
顧客のSaaS導入に対するニーズに応える
企業の規模やリソースによって、導入に対するニーズはそれぞれ異なります。企業のSaaS導入に対するニーズを満たすため、自動導入からフルサービス、インハウスからリモートまで、さまざまな導入サービスを提供しましょう。
SaaSライセンシングを成功させるために
aaSライセンシングでは、分析や戦略立案、プランニングに数え切れないほどの時間が必要になります。最適なSaaSの機能性と保護、また高い顧客満足度を実現するために、Sentinelで貴社に適したSaasライセンシングソリューションを見つけてください。
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